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カルディア王、再び。

今回の「お話。」は、昨年のクリスマス企画で私が書いた・・

【王様のいうことは絶対】 ←この記事です。

こちらの続編というか、シリーズものになっています。

お時間のある方はチラ見して頂くと、アレコレ思い出して頂けるかと思います。

(チラ見しなくても大体分かります)

それでは、本文へどうぞ



・・・



【王様のいうことは絶対・2~王様の挑戦~】


昨年の秋の選挙で、我が国初の民間の王様が誕生した。

王様の名はカルディア。私は大臣のコマール。

カルディア王のスローガンは、「私が正義だ!王様のいうことは絶対!」だ。



昨年の今頃は、カルディア王がクリスマスに関する厄介な法律の改定を決定したのだが。

【王様のいうことは絶対】 ←詳細はこちら。)


国民の評判は意外に悪くなかった。いや、意外になどと言ってはいけない。

「私に不満があるなら辞めて貰って結構」と言われるのがオチだ。



私はこの一年で学習した。

カルディア王の暴走を止めるのには・・特に手段はないことを。



センタッキーチキンしかり。公式クリスマスソング「恋人はサンタクロース」しかり。

「女性職員のミニスカサンタ」ですら押し通し、しかもさほど国民の支持は下がっていないのだ。

数名の女性職員が辞職したが、大勢に影響はなかった。



今年一年も、カルディア王流正月・花見・海水浴その他あらゆる年中行事を改革した。

国民の一部から弱々しい反発の声は上がったものの、概ね彼の提案(=決定)が受け入れられている。

ああ、今年のクリスマスには何をお考えになるのだろうか。

考え始めたら眠れなくなる。無駄な思考はよそう。「王様のいうことは絶対」なのだから。





「おい、コマール」

「何でございましょう、王様」

「・・王様にも飽きたのう」

「はっ?」

「王様という小さな枠に飽きたと申しておる」

「小さな枠・・ですか」

「そうだ。王様などたかが一国の主。国民など皆私の言うなりじゃないか。これではつまらぬ」

「はあ。たかが一国・・」

「そうだ」

「それでは王様は、これから国外進出を目指されるのでしょうか?」

「国外?そんなものには興味ない。私はこの国でもっと面白いことがしたい」

「面白いことですか」

「そうだ」



もしやカルディア王は、王という冠を捨て、民間に戻り何か事業でも始めようとしているのではなかろうか。

ああ、もしそうなら私にとって、否、この国にとってこんなにありがたいことはない。

少し早めの本物のサンタクロースからの贈り物だろうか。

ありがとう!サンタクロースさま。これから私はあなたの存在を信じます!



「何を一人でボソボソ呟いているのだ?」

「あ、いえ。なんでもないです」

「選挙に出よう」

「はい?」

「ゆーみんのいる日本国では、もうすぐ選挙が行なわれるそうじゃないか」

「はあ、そのように聞いておりますが」

「我が国も選挙をしよう」

「解散総選挙ですか?」

「解散などしない。国は今の体制のままで結構」



「それでは何の選挙を?」

「とりあえず、州の選挙をしようと思う」

「州の選挙を。なるほど。そしてそれからは?」

「それだけだ」

「それだけ?」

「そうだ。私は州の選挙に出る」

「王をお辞めになって?」

「王は辞めん。州長と王を兼任する」

「それは無理ではないかと・・」

「日本国にできて我が国にできないことなどない!」



確かに日本国でそれに似たようなことが行なわれるそうだ。詳細はかなり違うけれども。



「私は私の生まれた地のジョーダン州から出ようと思う」

「はぁ」

「ジョーダン州を良くしたい!故郷は私の誇りだ!」

「それでは王のお役目が・・」

「君が代行を務めればよいではないか。嫌なら辞めて貰って結構」

「嫌という訳では・・」

「それなら決まりだ。私はジョーダン州をこの国一番の州にしようと思う」

「はぁ」

「選挙は年内だ」

「それはまた、急な・・」

「国のことは私の意に沿うように、滞りなく行なうように」

「それでよいのでしょうか?」

「それでいいのだ。私が正義だ」



・・・



そして州長選挙が行なわれた。

カルディア王は前任の候補に大差をつけて勝利した。

以下、州民の声。



「王様と兼任とかカッコよくね?」

「斬新だね」

「イケメンだね」

「何考えてるんだか。あ、いえ。なんでもないです」

「カルディア王、万歳!あ、州長か」

「でもできるの?兼任とか」

「できるんじゃね?あのカルディア王だしね」



私・コマールは王代行となり、前年どおり粛々と国政業務に努めた。

私は代行。自分の意思を働かせてはならない。

本意ではないが、他の誰かに代行をさせたくはない。



カルディア王はジョーダン州に行ったっきり、ほぼ音沙汰がない。

特に悪い評判を聞くこともなく、二ヶ月が過ぎようとしていた。



「おい、コマール」

「おや、お帰りなさいませ、カルディア様」

「カルディア王と呼べ」

「はは」

「私は・・州長を辞める」

「お辞めになるのですか?!」

「そうだ。私は王様だ」

「はい。それは、もう」

「私がいなければこの国はダメになる」

「はぁ」



「君は一昨年辞職した女性職員を復職させたそうだな」

「はい。ミニスカサンタ要員が足りなかったので」

「・・まあ、それはよい。しかし許されないのは、ミニスカサンタにタイツの着用を許可したことだ」

「いけませんでしたか?」

「ダメに決まっている。ミニスカサンタは生脚でこそミニスカサンタなのだ」

「そういうものでしょうか」

「そういうものなのだ。君は何も分かっておらぬ。やはり私がいないとダメなのだ」

「まあ、王様ですから」

「そうだ。私はこの国の王なのだ。ジョーダン州など誰かに任せておけばよいのだ」

「ははぁ・・」



「州長はつまらぬ。皆、副州長・シキールの言いなりだ。ジョーダン州に私など、宝の持ち腐れというものだ」

「腐ったのですか?」

「ものの例えだ。腐ってなどおらぬ」

「それは何より」

「やっぱり王がよい。私には王こそ相応しい。そう思わぬか?」

「は?」

「思わぬのか?!」

「思います。思いますとも!」



・・まったく。である。

しかしカルディア王は帰ってきた。この国の柱として。

州長が務まらなかっただけなどと、口が裂けても言ってはならない。

ああ、やはりこの世にはサンタクロースなど存在しないのだ!



・・・



こうしてカルディア王の兼任ブームは終了した。

今日もカルディア王は大声で私を呼ぶ。



「今年の花見だが、日本国のように桜をみることにしようと思う」

「桜ですか」

「そうだ。公式お花見ソングは夜桜お七だ」

「しかし我が国には桜がありませぬ」

「だから今から準備をするのだ。さあ、コマール。早速手配に取り掛かるのだ」

「はは」



またもやカルディア王の無理難題。本当に懲りない人である。

しかしそれを支えるのが私の仕事。ここはひとつ、冷静に。穏やかに。下手に出て。



「さくら(独唱)ではいけませんか」

「ダメだ。王様のいうことは絶対!だ」



カルディア王のわが道は、まだまだ続きそうである。



―おわり―



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